T君の学校嫌いが学校好きに!

さて、2月に突然幼稚園で泣いてしまったT君。
それから2週間半、週3回幼稚園に行く度に幼稚園で泣いていました。
本人にどうして涙が出てしまうのか聞いても
「ママに会いたくなっちゃったの」とか「何でか分からないけど
泣いちゃったの」としか言わないし、先生に聞いても
何で泣いてしまうか分からないと言われるばかりで、
母としては心が切り裂かれる思いでした。


幼稚園でいやな事があったのだろうか?誰かにいじめられたのだろうか?
何か辛い思いをしているのだろうか?調子が悪いのだろうか?
これからずっとこうして学校嫌いになってしまうのだろうか?
等々、延々と考え続けました。


それが、2週間半近く経った頃、泣かずに幼稚園に行けた日があり、
それ以来、今までの事がうそだったかのように楽しく学校に行き始めたのです。


そのまた数週間後、T君をおむかえに行くと先生に呼び止められ、
「Tが始めて泣いた時の理由が分かったのよ!」と興奮気味に言われました。
話を聞いてみると、T君が始めて突然学校で泣いた時は壁に掛けてある
紙に絵の具で絵を描き終えた時だったそうです。本人も
「All done、終わった」と言ったので、次に待っていた子を呼び寄せて
T君から絵の具を使う時に着させているエプロンを脱がそうとした時に
急に泣き出したから皆びっくりしたのだとか。


今になって分かったらしいのですが、T君は壁に張ってある紙に絵の具を
使う時は紙一面に色を塗ります。その紙は壁に木の洗濯ばさみで
付けられているのですが、絵を描き終え、先生が紙を洗濯ばさみから外した時に
洗濯ばさみがあった所が白いままなのです。T君は一度は「All done」と
言ってみたものの、その白い部分を見て、まだ終わっていないと思い、
でも、それを先生に伝えられなくて泣いてしまったようなのです。


それを聞いて色々な事が納得行くようになりました。
2月の頃はT君も少しづつ「英語らしい」言葉を自分から言い出した頃でした。
日本語では十分意思疎通ができるのに、英語だと伝わらない。
そんなフラストレーションがあったのでしょう。


また、今から振り返ってみると2月の始めはまだ家も決まっていなく、
両親とも相当ストレスが溜まっていた頃。
それにAちゃんも大分つかまり立ちとハイハイが上手になり、
目が離せなくなっていた頃。T君も遊んでいたおもちゃを
取られたり、一生懸命作った電車の線路を壊されたりして
苦労していました。


英語の伝わらないフラストレーションだけでは無く、3歳半ながらも
親の変化をちゃんと感じ取り、また妹が動けるようになった事の
環境の変化に戸惑い、T君はT君なりに大変だったのだと思います。


そんな大変な思いをさせてしまった事を申し訳無く思う気持ちも
ありますが、そんな状況の中から一つ大きくなったわが息子が
少し誇らしい思いもするのです。