T君の心の成長


子育てとは嬉しい事も沢山ありますが、辛い事も沢山あります。
今日はそんなとても辛い事と、とても嬉しい事が一度に起こった日でした。


事の発端は朝。
T君に「お友達が来るからパジャマを着替えなさい」と言ったのが始まりです。
おもちゃで遊んでいてまったく聞き耳を持たないT君。
何度か繰り返し(まずは優しく)着替えてと言い、お洋服も準備し、少し待ち、
それでも言う事をまったく聞いていないので、今度は大きな声で
「ちゃんと着替えないとお友達来てくれないよ」と言いました。
それでも遊び続けるT君。


少し時間が経ってからまた「着替えてと」と言うと、
大きな声で叫びまくり、フラストレーションが溜まったのか
足をバタバタさせ、たまたま近くにいたAちゃんを蹴ってしまいました。


今度はAちゃんを蹴った事を起こられると、気が狂ったように大声を出し、
体全体でフラストレーションを表現していました。


こんな時、最近家ではベッドルームに連れて行って「タイムアウト」させています。
落ち着くまで別のお部屋で反省しなさいと言うのが目的ですが、
基本的には子供も興奮している間は何を言われても聞けないし、
親も落ち着く必要があるから、少し別の部屋で過ごす事にしているのです。


しかし、今日は人が来る事もあって、Aちゃんの着替えを取りに
ダンダンがベッドルームに入ると、まだ興奮が収まらないT君はダンダンに
向かって叫び、ダンダンを押したり叩いたりして部屋から出そうとしました。


今までに見たことの無い程のかんしゃく。
何がそんなに悪いのか、私達は親として失格なのではないかと
気がめいってしまいそうになりました。


そのまま、T君はバスルームの方に走って行き、ドアをバンと閉めました。


はぁ、、、、、  辛い、、、、、
でも、こんな時は、ほおっておくしかない。


数分過ぎたその時、パタッとドアが開き、T君がトコトコと歩いて来ました。
様子が少し違うので、何も言わずにT君が私の膝の上に座るの見守ると、
T君自ら「ごめんなさい」と言って私をぎゅっと抱きしめました。


ママ:「T君、ママが何で怒っているかわかる?」
T君:「ん」
ママ:「やりたい事があるのにやれないのはいやな事だよ。
でも、お洋服着替えたらまたやれるでしょ。それなのに、大きな声で人に向かって
叫んだり、足バタバタしてAちゃん蹴っちゃったり、パパを叩いたりする事は
悪い事だよ。ママとパパはT君の事はいつでも大好きだけど、今の態度は悪い。
本当に悪い態度だよ」
T君:「ん」
ママ:「わかったらいいよ。仲直りの抱っこをちゃんとしよ」


するとT君:「ママ、T君、今ハートが痛いの。怒ったから。」
ママ: 「そっか。でも、ちゃんと反省ができたからもう痛くなくていいでしょ」
T君:「それでも痛いの」
ママ:「じゃ、どうしたらいいかな」
T君: 「パパとAちゃんにごめんなさいして来る」


と言って、T君はちゃんと自分でパパとAちゃんに謝りに行ったのです。


あーーあ、親失格だ!子育ては辛すぎる!!と思った矢先に
こんな、こんな素晴らしいT君の心の成長を見させてもらいました。


T君、すごいよ。ちゃんと自分の心の動きに気がつけるようになったんだね!
しかも、自分も悪い部分があったのに怒ってしまった事に対した
ハートが痛くなるのはT君が心の優しい4歳の男の子だと言う証だよ。
そのまま大きくなったら人の痛みの分かる、強くて優しい人間になるよ、きっと。


ママもパパも本当に本当に親としては2人でやっと半人前だけど、
こういう時に親になれて幸せだなって感じるよ。
こんな気持ちにさせてくれて、ありがとうT君。
(でも、あんな激しいカンシャクは程ほどにお願いします!!)